利下げの先送り見込みと中東情勢の緊迫化に加え、半導体関連株の値下がりに揺れた1週間。ナス
ダックは連日の下落を記録。インフレの粘着性に対抗できたのが、半導体関連への期待だっただけ
にTSMCの決算での半導体業界見通し下方修正は、ハイテク株中心に売りを加速させました。
15日-19日の米国マーケットの動きを解説します。
半導体株の下落が市場に与えた影響?
今週のまとめ
- 半導体関連のネガティブなニュースに揺れる1週間
- ただ、本当の理由は、相変わらずの利下げ先送りと金利上昇がマーケットの重荷に
- 続く決算発表に、不安を隠せないマーケット
- 長期的には「押し目は買い」と、チャンスを待つぐらいのスタンスが良。
週末の米国マーケット
1週間の動き
*日付をクリックするとその日のマーケット概況に。
NYダウは約3ヶ月ぶりの安値。経済指標の低迷を反映した消費の弱さや長期金利の上昇が主な要因。特にハイテク株を中心に売りが優勢となりました。セールスフォース(CRM)の大幅な下落がダウ平均の低下を加速させ、連続6日間の下落は約10ヶ月ぶり。
3月の米小売売上高が前月比0.1%上昇。長期金利の上昇が株価の割高感を強める。金利上昇によりインフレの沈静化に時間がかかることや連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が市場予想より遅れることへの不安感が継続。さらに、中東の地政学的リスクも市場の不安定さを増す要因。イランとイスラエル間の報復攻撃が続く中、国際社会からは自制を求める声が上がっていますが、対立の激化への恐怖は根強く残ります。
市場の変動性を示すVIX指数が上昇し、投資家のリスク回避意識。ハイテク株の比率の高いナスダック総合指数は、大きく下落。一方で、買いが先行し取引開始直後にはダウ平均が400ドル以上上昇する場面も見られましたが、結局は市場全体の不安感が影響し下落へ。
半導体関連のネガティブなニュースよりも・・
- オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの受注額が市場予想に届かなかった(17日)
- テスラがアナリストによる投資評価の引き下げで株価が下落(18日)
- 台湾セミコンダクター(TSM ADR)が半導体業界の見通しを下方修正。(19日)
利下げ期待を背景にマーケットを牽引してきた、半導体、ハイテク関連株。売りがいつ出てもおか
しくかなかったと言える環境では、ネガティブなニュースはむしろ売りのきっかけを与えたに過ぎ
ず、しつこいインフレで利下げ期待を裏切られ金利が上昇していることの方が下落要因としては大
きいと思います。
決算発表が本格化
4月の第4週からは、米国でも四半期決算の発表が本格化してきます。ビッグテック、マグニフィセ
ント・セブンをはじめとする企業の業績に右往左往する不安定なマーケットが続くことが予想され
ますが、将来的な半導体の可能性や新NISAによる、長期投資資金の米国マーケットへの安定的な流
入を考慮し、マーケットに臨むのが大切と考えます。(長期的には、押し目は買いのチャンスと待つ
ぐらいのスタンスが良。)
ビッグテックの決算発表日(4/19現在)
- 4/23 テスラ(TSLA)
- 4/24 メタ(META)
- 4/25 マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL,GOOG)
- 4/30 アマゾン(AMZN)
- 5/2 アップル(AAPL)
- 5/22 エヌビディア(NVDA)
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