8日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が前週末比11ドル24セント(0.02%)下落し、3万8892ドル80セントで取引を終了。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ予想が後ろ倒しになるという見方が影響し、株価に重荷となっていました。前週の大幅な下落後に景気敏感株に押し目買いが見られ、指数の下支えもありました。
3月の米雇用統計が賃金インフレの加速を示さなかったこともあり、FRBの利下げ期待が薄れ、市場では利下げ見送りの可能性が半々に。また、ジェイミー・ダイモン(JPモルガン・チェースCEO)は株主への手紙で、予想より持続するインフレと金利の上昇懸念を表明。一方、ニューヨーク連銀の消費者調査では、1年後のインフレ率予想が前月と同じ3%で安定していることが示されました。
ダウ構成銘柄ではインテルやアップル、メルク、コカ・コーラ、ボーイングが下落。対照的にナスダックは続伸し、テスラは自動運転タクシー「ロボタクシー」の発表を好感し大幅に上昇。今後の焦点は、10日に発表される3月の米消費者物価指数(CPI)に。
9日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が前日比9ドル13セント(0.02%)下落し、3万8883ドル67セントで取引を終了。米国の物価上昇を示す指標が予想される中、FRBの利下げが遅れるとの懸念から、売りが優勢に。一時は300ドルを超える下げもありましたが、終盤には下げ幅を縮小。
明日には3月の消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、最近の市場予想を上回る経済指標とFRB高官の利下げに慎重な発言が相次ぎ、CPIが予想を超えると利下げ開始がさらに遅れる可能性があるとの見方が投資家の間で広がっていました。一方で、ハイテク株を中心に朝方から買いが入り、ナスダック総合株価指数は前日比52.684ポイント(0.32%)上昇し、1万6306.639ポイントで終了。
個別銘柄では、ボーイングが2%弱の下落を見せ、アメリカン・エキスプレスも下落。一方で、シスコシステムズやアップルが上昇し、アルファベットは新たなCPUの発表が好感され1%上昇。エヌビディアは売りが優勢。今後の焦点は米大手銀行の四半期決算の見極め。
10日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が前日比422ドル16セント(1.08%)下落し、3万8461ドル51セントで取引を終了。朝に発表された3月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る結果となり、インフレ圧力の持続が確認されたことが、FRBの利下げ開始の遅れを示唆し市場に打撃を与えていたと市場関係者。ダウ平均は一時570ドル以上の下落もありました。
3月のCPIは前年同月比で3.5%の上昇と、2月の3.2%から加速。コア指数も予想を上回る3.8%に。これにより、市場ではFRBの利下げが早ければ7月か9月にずれ込むとの見方が出ていました。また、米長期金利は午後に5カ月ぶりの高水準(4.54%台まで)を付け、株売り誘いました。
FRBの議事要旨公表後も、市場の景気や物価の強さを反映し、利下げに慎重な姿勢が確認され、これが株価の重荷となっていました。投資家はFRBの政策見極めに苦慮し、リスク回避の姿勢に。ダウ構成銘柄では、ホーム・デポやインテルが大きく下落し、ナスダック総合指数も136.279ポイント(0.83%)下落して1万6170.360で取引を終えた。
11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日連続の小幅下落を記録し、前日比2ドル43セント(0.00%)安の3万8458ドル08セントで取引を終了。ディフェンシブ株への売りが重荷となった一方で、ハイテク株を中心に見直し買いが入り市場を支えた。特にアップルとエヌビディアの上昇が目立っていました。
3月の卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回る伸びに留まり、インフレへの過度な警戒が後退したことが買いを促進。ダウ平均は朝に260ドル以上下落したが、その後持ち直し、新規失業保険申請件数が減少したことも好感された。が、米長期金利の上昇が株式の割高感を意識させ、再び相場の重荷に。
ナスダック総合株価指数は大幅に反発し、前日比271.838ポイント(1.68%)高の1万6442.198ポイントで終了。これは約3週間ぶりの最高値更新で、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の上昇が寄与。
アップルは人工知能(AI)分野での戦略やAI対応の新製品に対する期待が高まり、4%以上の強い上昇を見せた。また、ナイキ、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトも買いが入り、市場全体の支えとなりました。
12日の米国株式市場は全体的に下落しました。ダウ工業株30種平均は475.84ドル安の37,983.24ドルで取引を終え、ナスダックも267.11ポイント安の16,175.09で閉じました。市場は、冴えない銀行決算と中東情勢の緊迫化、さらに連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待の後退を受けて売り圧力が強まりました。
特に銀行セクターはJPモルガンやウェルズ・ファーゴの四半期決算が期待を下回り、株価が下落。また、半導体製造装置を含むテクノロジー関連の株も、中国政府の外国製品排除方針報道を受けて、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やインテルが売られました。この報道は、中国市場に大きく依存する企業にとっては特に打撃となっています。
一方、アップルは新型の「M4」チップを搭載したマックコンピュータの発売報道を受けて、期待感から株価が上昇しました。この株価上昇は、アップルが人工知能機能を強化した新製品ラインナップを計画しているとのニュースによるもので、投資家からの注目が集まりました。
金融セクターが不振である一方で、アップルのような技術株が市場の一部を支える形となり、株価の落ち込みを多少緩和しています。しかし、全体としてはインフレへの懸念や地政学的リスクが重しとなり、市場は厳しい一日を過ごしました。
ジェイミー・ダイモンJPモルガンCEOは「米経済は堅調で、消費者の手元にはまだ余剰資金が残っており、株価は上昇傾向にある」と述べました。彼はまた、世界的な紛争や持続するインフレ圧力、量的引き締め(QT)など、経済の見通しを暗くする可能性のあるいくつかの大きな不確実性に対する懸念も表明。市場の動向に依存するものの、市場関連事業を除いた全体の純利益(NII)の予測を従来の880億ドルから890億ドルに引き上げましたが、アナリストの予想である906億8000万ドルには届かず、この発表を受けて、株価は約6%下落となっていました。
また、10日のイスラエルによる、シリアのイラン大使館の攻撃に対し、イランが報復のドローンや弾道攻撃を12日には開始したニュースも伝わり、緊張が高まっています。
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