【4/1-5の米国株式市場】最初の利下げがズレることを懸念するマーケット。3月の雇用統計はどっちを暗示?
利下げを急ぐ必要はない、から利下げの年内見送りを匂わす?金融当局者の発言等に揺れ
動く1週間。神経質な動きの中で週末の3月雇用統計を待つマーケットでしたが、雇用統計
が示す経済の健全性と景気回復への期待が、マーケットに活気を呼び戻し、週末の株式市
場は反発。結局、インフレの落ち着きと利下げのタイミングを図るマーケットであること
に変わりはないと気づく米国株式市場でした。
目次
利下げの開始時期に戸惑いを隠せない?マーケット
今週のポイント
ポイント
- 強い経済指標をめぐる、金融当局者の発言に神経質な反応のマーケット。
- 利下げ開始の時期に不透明感も
- 原油価格と長期金利の上昇もマーケットの重荷に。
5日、週末の動き
注目の3月雇用統計は、
- 非農業部門の雇用者数が+30.3万人増(市場予想 +20万人増)
- 失業率3.8%(2月3.9%)
- 賃金インフレの加速とはなっていないとの解釈も
雇用者数や労働参加率、平均週給などは全て予想を上回り金融当局がインフレ対策に忍耐
強く取り組み、最初の利下げをさらに遅らせる可能性を高めていると指摘する市場関係者
もいました。6月に最初の利下げが行われないという見方も少しずつ増えてきている印象
です。
今週のマーケット
*各日付をクリックすると、マーケットのハイライトに↓
1日 NYダウが3営業日ぶりに反落し、240.52ドル(0.60%)安の39,566.85ドルで終了。
- 3月ISM発表→インフレの沈静化遅れ、利下げ期待が後退売り圧力。
- 3月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は50超え好況を示す。22年9月以来の高水準
- FRBのパウエル議長「利下げを急ぐ必要はない」と発言(29日)利下げ観測後退が意識、長期金利が上昇。
- 金利上昇、成長株を中心に相対的な割高感。
- 週末に、3月の米雇用統計で金融政策の先行きに神経質な展開
- 個別株では、消費関連株の下落が目立ち、一方でマイクロソフトとシェブロンは上昇。
2日 長期金利上昇、インフレ懸念引き続き、
- 米国の景気底堅さやインフレ高止まりが利下げ期待の先延ばしを意識?
- 米長期金利が約4カ月ぶりに上昇し、株式に割高感。
- 3月のISM製造業景況感指数が1年半ぶりに50を超え。
- 製造業の好転が見られたものの、価格指数の上昇がインフレ懸念を加速。
- 米長期金利が4.40%まで上昇し、原油価格の上昇もインフレ懸念を深めた影響を受け、市場は下落。
- FRB高官の発言は、年内の利下げ見通しにおいて意見が分かれ、市場の不確実性を高める。
- ユナイテッドヘルス・グループの株価6%以上の下落。
- 米連邦政府が2025年のメディケア(高齢者向け公的医療保険)に関して、保険会社への支払い率の引き上げが市場の予想に届かなかった等を理由に大幅に安。
- ナスダックはテスラの電気自動車販売台数減少や半導体株の下落で反落。
3日 金利上昇に落ち着き。
- 米長期金利の上昇が一時的に落ち着き、ハイテク株が買い戻されることで市場を下支え。
- インテルはファウンドリー事業の収益改善遅れ観測で8%安、ディズニーは株主総会後の売りで3%安に。
- 3月のADP全米雇用リポートは市場予想を上回るも、賃金インフレによる物価押し上げ懸念が再燃。
- ボスティック総裁は年内1回の利下げ見通しを示し、長期金利が一時4.42%へ上昇。
- パウエルFRB議長は経済指標を受けてのFRBの見方に本質的な変更はなしに
- 年内3回の利下げを6月から始める基本シナリオは変わらないとの見方が市場は好感。
- 長期金利の上昇一服とパウエル議長の発言を受け、ハイテク株中心に買い直しの動き。
- ISM非製造業景況感指数は市場予想を下回るも、50を超えており、製造業景況指数と合わせ米景気への楽観的な見方を支持。
- 個別株ではプロクター・アンド・ギャンブルやボーイング、ハネウェルインターナショナルが下げ、一方でダウ、アマゾン、アップルが買われる展開となった。
4日 ダウ平均が530ドルの大幅な下落を記録し、3万8596ドル98セントで終了。
- 利下げ観測の後退やインフレ懸念をマーケットは不安視。
- ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がインフレ懸念を示唆する発言
- FRBが年内の利下げを見送る可能性が浮上?
- 原油先物相場の上昇もインフレ懸念を後押しし、市場の不安を助長。
- 5日には米雇用統計の発表が控えられており、これが利下げ観測の後退を予感。
- ナスダック総合株価指数も下落し、半導体株やハイテク株の売りが目立つ。
5日
- 主要株価指数は、前向きな成長の見通しにより反発。
- 3月の雇用統計が失業率の減少と予想以上の雇用増加を示し、強固な労働市場の確認。
- 雇用統計を受け、成長に対する期待が高まり、投資家が心理が改善。
- アメックスはアナリストの評価上げにより上昇。
- アップル(AAPL)自動運転に続き、ディスプレー(スマートウォッチ用)の開発終了を発表。
- クリスピー・クリーム(DNUT)がマクドナルド(MCD)との提携。
- テスラ(TSLA)EVの低価格モデル開発停止の報道(イーロン・マスクCEOによる否定)。
- FRBのボウマン理事インフレ対策としての追加利上げの可能性について言及しましたが、「可能性は少ない」と指摘。
*米国の中央銀行のことがよくわかる記事→【3/19-20】FOMC後に、押さえておきたい3
つのポイント。そしてあまりにも個性的で、天才すぎるFRBの歴代議長達・・
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