企業と個人の双方にデジタル決済サービスを提供するのがPayPal(ペイパル)です。2015年にEコマース大手イーベイ(ebay)から分離・独立していましたが、イーベイの決済はペイペルを通じて行われていました。近年イーベイが決済システムの内製化を進めたため、ペイパルのイーベイ経由決済取扱高減が、売上に影響を及ぼしていました。
目次
2021.7-9月期(Q3)
稼働口座数は順調
2021/7-9月期(Q3) | 2020/7-9月期(Q3) | 前年同期比 | |
売上高(Net revenues) | 6,182 | 5,459 | +13% |
当期利益(Net income) | 1,087 | 1,021 | +6.5% |
EPS(調整後) | 1.11 | 1.07 | +3.7% |
- Total Payment Volume(決済取扱高) 3,100億ドル(前年同期比+26%増、市場予想は下回る)
- 9月末の稼働口座数(アクティブアカウント)は4億1600万。
- 売上高 62億ドル(市場予想は下回る)
- 純増口座数は1,330万件で、前期Q2の1,140万件から増加。
トップのコメント・・
第3四半期の業績は、記録的な1年に加えて堅調な成長を示しています。PayPalの両面プラットフォームの強みと中核市場での普及により、当社は大規模な成長を遂げ、既存の加盟店との取引を拡大し、新たなパートナーを獲得することができました。私たちは、Amazonと提携することに興奮しています。Amazonと提携し、米国のお客様がチェックアウト時にVenmoで支払えるようになることを嬉しく思います。-DeepLで和訳
-ペイパルCEO,ダン・シュルマン
長期的に見た場合、ebayからAmazonへの移行はグッドニュースです。アマゾンとの提携によって、2022年からは米国内の8,000万人以上のユーザがアマゾンでの買い物をVenmoを使い支払いができるようになります。
Venmo(ベンモ)は、個人間でお金やりとりができるアプリでペイパルの成長を支えてきました。米国内では、その手軽さや利便性から、若者の間で急速に広がりました。「Just Venmo me.」(Venmoで返してくれればいいよ。)のように「ググる」と同様、企業名やサービ名がそのまま行為を表すくらい若者の間では浸透していると言われています。
PayPalの歴史について簡単にまとめています。↓
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株価、時価総額
- ティッカーシンボルは、PYPL
- 株価202.03ドル(11/10)
- 株式時価総額 2,372億ドル(11/10)、26兆円
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