NYダウを代表的な指数として、説明しました。みんな大好き、NYダウですが、運用の世界ではS&P500のほうが、指標として使われています。NYダウと比較しながら、S&P500の特徴をチェックしてみましょう。
30 vs 500
株式平均型のNYダウは、その性格上株価の高い銘柄に影響されやすく、採用されている企業数が30しかないという難点があります。その点S&P500のほうは、企業数は500もある上に、時価総額加重型の算出方法を用いており、米国株式市場全体の時価総額比率の83%をカバーしているため、米国株式市場全体の傾向を把握できるとされています。
採用基準が明確
- 米国企業であること
- 時価総額が53億ドル以上であること
- 4四半期連続で黒字利益を維持していること
- 株に流動性があり、浮動株が発行株式総数の50%以上であること
『企業の評判がいい』『投資家の関心を示す企業』であることなどとするNYダウに比べると、ずっと定量的で具体的ですね。S&P500は、ニューヨーク証券取引所またはナスダックに上場している全業種から500銘柄が選定されています。
入れ替えも定期的
四半期ごとの銘柄の入れ替えを検討していることもS&P500の特徴です。気まぐれ?で、企業側の行動(買収や合併、株式分割など)に左右される、不定期なNYダウよりも、厳格な基準がここでも用いられています。上記の採用基準を満たしていることは当然ですが、時代の流れや各企業の業績、今後の見通しなどを独自の委員会が総合的に判断し、米国の主要業種の主要企業をカバーできているかを見極め、入れ替えが行われます。
時価総額加重型とは、基準点と比較して時価総額がどのくらい増減しているかが一目でわかり、過去と比較して現状を把握できるのが特徴です。反面、(時価総額は株価×発行済株式数で算出)時価総額が大きい銘柄の動きに左右されやすくなります。S&P500をはじめナスダック総合指数、日本でも東証株価指数(TOPIX)がこの方式を採用しています。
60年の歴史と適者生存
S&P500は、1923年に開発された指数をもとに、計算の頻度や精度の改善と銘柄の追加が行われ、1957年3月に現在と同じ500の銘柄(企業)を対象とした、S&P500の基盤が完成しました。
採用と除外
2020年9月に、採用されたのがオンラインマーケットのEtsy(エッツィと読む?ハンドメイドクラフターのためのマーケットプレイスを運営-ETSY)半導体のテラダイン(-TER)医薬品のキャタレント(-CTLT)と最近のトレンドを捉えた、3銘柄。
一方、除外されたのは、コールズ(百貨店-KSS)やコティ(美容製品-COTY)H&Rブロック(個人向けサービス-HRB)など変化の波に対応できていない企業でした。時代の変化に合わせ、構成銘柄を入れ替えることで、米国株式市場全体の時価総額比率の約80%をカバーできるように調整が行われています。
*()内のアルファベットは、いずれもティッカーシンボル
適者生存
歴史の重みからすると、株価指数として120年以上歴史があるNYダウのほうがありますが、四半期ごとの決算だけでも、大変なのに、入れ替えという緊張感に常にさらされながら、投資家や消費者に良いものを提供し続け、S&P500に選ばれる(適者生存)米国企業、アメ株のしたたかさに今後も注目していきたいと思います。
ここでも”GAFAM”が・・
1.アップル | 2.マイクロソフト | 3.アマゾン | 4.フェイスブック | 5.アルファベット |
このブログでも、ちょくちょく出てくるGAFAM。アルファベットのグーグル(-GOOGL)アマゾン・ドット・コム(-AMZN)フェイスブック(-FB)アップル(-AAPL)そしてマイクロソフト(-MSFT)のそれぞれの頭文字をとり名付けられています。
世界経済を引っ張るGAFAMの5企業ですが、やはり、S&P500の中でも重要な位置を占めることに変わりはないようです。↓
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