昨年(2018年)後半からの、アップルについて振り返ってみようと思います。因みに
アップルは、第1四半期が10月-12月
第2四半期が1月-3月
第3四半期が4月-6月
第4四半期が7月-9月
が四半期ごとのくくりになります。9月に毎年、iPhoneの新バージョンを発表し、個人消費が盛り上がる、第1四半期の10月以降、12月までのクリスマス、年末商戦にぶつけて、まずは、その年度はじめで、弾みをつける戦略をとっています。
1兆ドルのその後・・・
アップル(AAPL)が207ドル台をつけ、歴史上、初の時価総額1兆ドル企業となったのが2018年の8月2日のことでした。
アップル、時価総額1兆ドル企業に
そして、9月12日に発表されたのが、iPhoneXS,iPhoneXs Max, iPhoneXRの新ラインナップ。
その後も株価は、米国株式市場全体をリードするカタチで、上昇を続け、10月3日には最高値、233.47ドルに達しています。(同日に、ニューヨーク・ダウも、過去最高値26,951ドルをつけていまています。)株価はそこから少し下がるも、決算発表直前の、11/1には、220ドル前後の水準でした。
市場予想には、届かず
11/1の取引終了後にAppleのティム・クックCEO(最高経営責任者)が、「とてつもない素晴らしい、2018年会計年度の締めくくりとして、またも過去最高の四半期業績を報告できますことをとても嬉しく思います。当年度、当社は20億台目のiOS端末を出荷したほか、APP Store10周年を祝い、Appleの歴史上最強の売上高と利益を達成しました。」(第4四半期業績は、売上高は629億ドル(前年同期比+20%)、一株当たり利益・EPSは2.91ドル(同+41%)、米国市場以外の売上比率は61%で、サービス部門の売上高は過去最高の100億ドルを達成。)と自信をのぞかせた、第4四半期(7-9月期)決算発表でしたが、
市場の評価は、
次の2019年度第1四半期(10月-12月期)のアップルの見通しが、市場予想を下回っていた(会社側910億ドル{中央値}/市場予想927億ドル)とネガティブにとられ、株価は11/2に205ドル台まで下落。(終値は、207.48ドル/▼14.74ドル・▼6.63%)時価総額1兆ドルも、割り込んでしまいました。
下記参考グラフ↓2018/11/1発表 -第4・四半期(7-9月期)のアップルの決算より
売上高全体=629億ドル(およそ6兆9200億円)
新型iPhoneの販売が伸び悩む
その後、新ラインナップの「iPhoneXR」の増産中止の報道や、それを証明するかのような、アップルに、部品を供給する企業(サプライヤー)の大幅な業績下方修正と株価下落が追い打ちをかけました。”成長の源泉である、iPhoneの売上が鈍るのではないかと、平均販売価格の上昇では、販売減を補えないとアップルの投資判断を、引き下げるアナリストもいました。
11/19の米国市場では、一部報道機関が、9月販売の新型iPhone(XS,MAX,XR)の生産をここ数週間で減らしていると報じ、アップルの株価は前日比▼3.96%安の、185.86ドルまで下落。その後、米中通商協議の先行き不安等も重なり、下落は続き、クリスマス・イブの12/24には、146ドル台までに値下がりしていました。
“アップル・ショック”の陰に、ファーウェイあり!?
2019年、年明けの米国株式市場は、大荒れの展開。アップルは、第1四半期(10-12月期)売上高見通しを840億ドルとして、従来の830億-930億ドルから引き下げ。この、アップルの業績予想下方修正による『アップル・ショック』をきっかけとして、3日米国株式市場は、大幅下落。
1月2日、アップルのクックCEOは、投資家への書簡で
「・・・*グレーターチャイナで景気がこれほど減速するとは予想はしていなかった。売上高の下振れ分の大半をグレーターチャイナが占めた。」
と明らかにしていました。中国の景気減速を裏付ける、アップルの中国での売上の落ち込みでしたが、ファーウェイへの米国政府の対応を巡る、中国でのiPhone不買運動を連想?させることにもつながり、米中貿易摩擦問題の、他の米中メーカーへのひろがりをマーケットは、嫌気していたようでした。(*グレーターチャイナとは、一般的に中国本土、香港、そして台湾を含む地域概念)アップルの株価は、1/3に142ドルまでの値下がりとなっていました。
効果抜群、FRBの金融政策。タカ派からハト派へ!?
しかし、日を改めた4日には、米国株式市場は、大幅に反発。米中の通商協議の開催(7日-8日)が予定され、貿易摩擦問題解決への期待の高まったことや、12月の雇用統計で非農業部門雇用者数が大幅(前月比+31.2万人/予想18.4万人)増加等、経済指標が良かったこと、
さらには、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が、「あらかじめ決められた金融政策の道筋はない」とし、状況次第で利上げ打ち止めの可能性を示唆、「必要があれば金融政策を変更する」と発言したことをマーケットは、好感しました。ニューヨーク・ダウは、一時832ドル高まで上値を伸ばし、最終的には、+746ドル高で終えています。きっかけは、アップルショックだったかもしれませんが、マーケットにとっては、やはりFRBの金融政策の方向性が、新しい年になっても、一番の関心事のようでした。そのFRBは、
1月のFOMC(米連邦公開市場委員会)以降、3月、直近の5月のFOMCでも、FF金利の誘導目標を、2.25%〜2.5%据え置く決めており、FRBによる金融政策正常化に対する慎重な姿勢は、米国株式市場を下支えるする大きな要因となっています。
「利上げ打ち止め、ひょっとして場合によっては、利下げがあるかもしれない」という、雰囲気に包まれているのが現在のマーケット環境のようです。
アップルの株価も、1/2の業績見通し引き下げが、悪材料出尽くし、底値?となり、その後は、米中通商協議進展への期待や雇用統計など、堅調な米国の経済指標等に支えながら、2月170ドル、3月190ドル、そして4月には、200ドル台と右肩あがりの、回復過程に入ったことが確認されました。
引用元 アップル【AAPL】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
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