何を話すか、何をするかわからない、トランプ米大統領。彼の縦横無尽な振る舞いに、米国株式市場は振り回されている?ようです。しかし、「強いアメリカ」を取り戻すという、彼の信念は少しずつ成果を見せはじめています。
今週のスケジュールと見通し【3/10-14】
今週の重要スケジュール
3月
10日(月)・・中国、対米「報復関税」発動
オラクル(ORCL,12月-2月/Q3,2025)
12日(水)・・2月CPI(消費者物価指数)
「鉄鋼・アルミ関税」発効
G7外相会合(〜14日、カナダ)
アドビ(ADBE,12月-2月/Q1,2025)
13日(木)・・2月PPI(生産者物価指数)
14日(金)・・3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
見通し
トランプ政権による関税政策等の不透明感で、米国株式市場は下落基調を継続。気がつくと、選挙の勝利(11月5日)から誕生したトランプ大統領の『トランプラリー上昇分(S&P500の上昇)』を金曜日7日にはすべて吐き出す?かたちとなってしまいました。
- 2024年11月5日<5,782.76ポイント>→ 2025年2月9日<6,147.43ポイント>(史上最高値)上昇率で6.3%
- 3月7日→5,770.20ポイント←今ここです。(*いずれも終値)最高値からの下落率で▼6.14%
今のところ、関税政策等による、インフレ再燃、景気減速を不安視するマーケット環境にあります。
しかし(関税政策の発効を遅らせたりする配慮からするとトランプ大統領特有の単なる交渉術、とも取れるのですが)
隣国カナダ・メキシコに対する、厳しい姿勢により、不法移民の数の減少や米国に入り込んでくる麻薬の量が減ってきているという報道もあり、「強い米国を取り戻すという」強い意志は成果を見せています。また決算が予想を上回る企
業が多いにもかかわらずマーケット全体の不透明感に引きずられ下落基調の株価も、AI需要の強さが再確認されるにつれ回復に向かうと考えます。さらには、これまで、ネガティブな部分しか、スポットを当てられていなかったトランプ
2.0が本格的に始動し、減税や企業コスト削減に通じるエネルギー政策の恩恵を受ける米国企業がクローズアップされるにつれ、米国株式市場も徐々に、上昇過程に入ってくるものと期待しています。
先週のマーケットレビュー【3/4-3/7】
7日金曜日のマーケット
*主要株価3指数の週末の終値と前週末比(+は↑上昇、▼は↓下落)。年初来の上昇率、史上最高値とその日付です。

先週のおさらい
- トランプ政権の関税政策による先行き不透明感から、下落基調の1週間
- 2月雇用統計では、景気減速懸念?も
- パウエルFRB議長の講演は、米経済は「堅調な成長」との認識で、波乱なし
- 7日週末金曜には、短期的な売られすぎ感から主力株の買い戻しが進む
ダイジェスト
*日付をクリックすると、その日マーケットの概要がわかります。
月曜日
<3日米国マーケット>
エヌビディア<NVDA▼8.69%,114.06ドル>
テスラ<TSLA▼2.84%,284.65ドル>
・NYダウ▼1.48%
・S&P500▼1.76%
・ナスダック▼2.64%
・長期金利(10年国債利回り)4.16%
*株価、指数等は終値。(+↑上昇)(▼↓下落)は前日比です。
●半導体の輸出規制懸念
エヌビディア(上記)下落し、相場を押し下げる。
-「エヌビディアの下落が市場全体に影響を与えている」との声もあり、投資家心理が悪化。
●ナスダック
下落幅も大きく、昨年11月以来の安値。
●トランプ大統領
メキシコ・カナダに25%、中国に10%→20%の追加関税の発表しが、売りが加速。
●2月ISM製造業景況感指数
50.3(市場予想50.6)を下回り、景気不安が広がる。仕入れ価格上昇でインフレ懸念も強まる。一方、
●コカ・コーラ<KO+1.56%,72.32ドル>や
●ジョンソン・エンド・ジョンソン
<JNJ+1.37%,167.28ドル>などの
ディフェンシブ(経済状況が悪化しても比較的安定した業績を維持)株は買われる。

コメント